
やりたいことはあるんです。でも「いつかやろう」と思っているうちに、気づけば何年も経っていて。このままでいいのかなって、たまに怖くなります。
人生には終わりがあります。当たり前のことなのに、私たちはこの事実をほとんど意識せずに毎日を過ごしています。だから「いつかやろう」が何年も続いてしまうんです。やりたいことがないのではなく、やらなくても困らない状態が続いているだけなんですよね。
では、どうすれば動けるようになるのか。私がたどり着いた答えは「逆算思考」でした。今日から積み上げていくのではなく、終わりの地点から今日を見る。この順番を入れ替えるだけで、やることの優先順位が驚くほど変わります。この記事では、なぜ人は後悔するのか、逆算思考とは何なのか、そして今日から何をすればいいのかを、私自身の体験を交えて全部話します。
この記事でわかること
- 人が人生の最後に後悔することの共通点
- 逆算思考と積み上げ思考の決定的な違い
- 終わりから逆算して今日の一歩を決める具体的な手順
私たちは「時間は無限にある」という前提で生きている
「いつかやろう」という言葉を、私たちは何気なく使います。いつか本を書きたい、いつか自分の店を持ちたい、いつか家族と長く旅行に行きたい。悪い言葉ではありません。ただこの「いつか」には、一つだけ前提が隠れています。それは自分にはまだ十分な時間が残っている、という無意識の思い込みです。
冷静に考えれば、その保証はどこにもありません。それでも私たちは、明日も来週も来年も、当たり前に自分がいると思って予定を立てます。この前提があるかぎり、やりたいことは常に「今じゃなくてもいいこと」の箱に入り続けます。そして目の前の「今日やらないと困ること」だけが処理されていく。一日単位で見れば、これはとても合理的な判断です。だからこそやっかいなんです。
なぜ「いつかやろう」は永遠に来ないのか
①締め切りがないものは、脳が優先順位を下げるようにできている
②やりたいことは「やらなくても今日は困らない」ため、常に後回しになる
③日々のタスクは無限に湧いてくるので、空いた時間は自動的に埋まっていく
④時間が有限だという実感がないため、先延ばしにコストを感じない
つまり問題は意志の弱さではありません。時間の使い方を決める仕組みそのものが、やりたいことを後ろに送るようにできているんです。ここを変えないかぎり、何度決意しても同じ場所に戻ってきます。
私自身、会社員時代の一日を思い出すとよくわかります。朝起きて出社して、目の前の仕事を片づけて、帰って夕食を食べて、少しだけスマホを見て寝る。この一日に「やりたいこと」が入る隙間はありませんでした。忙しかったからではありません。空いた時間が、自動的に「今日やらないと困ること」で埋まっていっただけです。一日を終えるたびに、私は何かをやり遂げた気分になっていました。でもその積み重ねの先に、自分が望んだ未来があったかというと、正直まったく自信がありませんでした。
陸上をやめたあの日、私は初めて「終わり」を見た
私は中学から高校まで、8年間陸上をやっていました。中長距離です。小学校の卒業文集には「オリンピック選手になりたい」と書きました。子どもらしい夢だと思われるかもしれませんが、私はこの夢を本気で信じていました。そして陸上をやめるその瞬間まで、本当に諦めていなかったんです。
📝 WAKAの体験談
社会人になってからも、私は会社の部活で走り続けていました。目指していたのはニューイヤー駅伝です。その関東予選会に出場したとき、同じレースを走っていたのは箱根を走った選手や、オリンピックを目指すレベルの人たちでした。
結果は圧倒的な惨敗でした。悔しいという感情すら出てこないほど、差がはっきりしていました。そのとき、心がぼっきりと折れる音が聞こえた気がしたんです。あの日、私の中で20年近く続いた夢が終わりました。
つらい記憶ではあります。でも今振り返ると、あの日が私にとって初めて「終わり」というものを実感した瞬間でした。それまで私は、努力さえ続けていればいつかたどり着けると信じていました。時間は無限にあると思っていたんです。でも実際には、挑戦できる期間には終わりがあり、その終わりは自分の意思とは関係なくやってくる。この現実を、身をもって知りました。



あの日から、私は「いつかやる」という言葉を信用しなくなりました。終わりがあると知ってしまうと、今日をどう使うかがまったく別の意味を持ち始めるんです。
人が最後に後悔するのは「やったこと」ではない
人生の終わりに立ったとき、人は何を後悔するのか。多くの証言に共通しているのは、失敗したことへの後悔ではなく、やらなかったことへの後悔の方がはるかに重いという点です。
これは感覚的にも納得できると思います。やってみて失敗したことは、少なくとも結果がわかっています。悔しくても、記憶の中で決着がついている。一方でやらなかったことは、永遠に「もしやっていたら」のまま残り続けます。答え合わせができないから、いつまでも心の中で問いが繰り返されるんです。
私自身、陸上の夢は終わりましたが、そのこと自体を後悔したことは一度もありません。やり切ったからです。むしろ後悔しているのは、会社員時代に「どうせ無理だ」と言って手を出さなかったことの方です。当時の私は、やらない理由を並べるのが本当に上手でした。
もう一つ、私の中に残り続けている感覚があります。某鉄道会社に勤めていた11年間、私は昇進というものにまったく興味が持てませんでした。仕事そのものには「誰にも負けない」という気持ちで向き合っていたのに、会社の中で上に行くことには何の魅力も感じなかったんです。今思えば、あれは会社が悪かったのではなく、自分がその先に行きたい場所を一度も言葉にしていなかっただけでした。向かう先を決めていない人間は、目の前の階段を上る理由も見つけられません。行きたい場所がないから、今いる場所の意味もわからなくなる。この状態が何年も続いたことが、私にとって一番の遠回りでした。



言われてみれば確かに、失敗したことより「あのときやっておけば」の方が引っかかっている気がします。でも、どうすればその状態から抜け出せるんでしょうか。
逆算思考とは何か──積み上げ思考との決定的な違い
ここからが本題です。やらなかった後悔を減らすために、私が使っている考え方が逆算思考です。
逆算思考とは?
「終わりの地点」を先に決めて、そこから今日やるべきことを引き算していく考え方です。ゴールから現在に向かって道をつなぐため、今やることが自動的に決まります。これに対して積み上げ思考は、今できることから始めて少しずつ前に進む考え方です。着実ではありますが、どこに向かっているかが曖昧になりやすいという弱点があります。
両者は正反対の性質を持っています。どちらが優れているという話ではなく、人生の大きな方向を決めるときは逆算、日々の改善は積み上げというように使い分けるのが現実的です。
積み上げ思考
出発点は「今の自分にできること」。できることを一つずつ増やしていくので無理がなく続けやすい一方、どこに向かっているかが見えなくなり、到達までの期限も決まりません。
逆算思考
出発点は「たどり着きたい終わりの地点」。ゴールから逆向きに手順を分解するので今日やることが具体的に決まり、期限も生まれます。ゴールが曖昧だと機能しない点だけ注意が必要です。
多くの人が動けないのは、意志が弱いからではなく、ずっと積み上げ思考だけで生きているからだと私は思っています。今できることの延長線上に、本当にやりたいことがあるとは限らないんです。
たとえば「英語が話せるようになりたい」と思ったとします。積み上げ思考なら、まず単語帳を買って一日10個覚えることから始めるでしょう。悪くありません。でも半年後、単語は増えても話せるようにはなっていない、ということが起こります。一方で逆算思考なら、「3年後に海外の人と仕事の話ができる」というゴールから考えます。そうすると、必要なのは単語量ではなく話す回数だと気づき、今日やることは「オンライン英会話を1回予約する」に変わります。同じ目的地に向かっているようで、選ぶ行動がまったく違うんですよね。この差が半年、1年と積み重なっていきます。
終わりから逆算すると、今日やることが変わる
では実際に逆算するとどうなるのか。私の場合、40代に入ったときに一度だけ、真剣に「残り時間」を数えたことがあります。仮に80歳まで生きるとして、残りは約40年。そのうち体が自由に動いて、新しいことに挑戦できる期間はどれくらいだろうかと考えました。
そう考えると、意外なほど時間がないことに気づきます。「まだ40年ある」と「あと40回しか夏が来ない」は、同じ事実なのに受け取り方がまるで違うんですよね。この数え方を変えるだけで、後回しにしていたことの優先順位が一気に変わりました。
どうすれば変われるか
①期限が生まれる — 終わりを決めると自動的に締め切りができ、脳が優先順位を上げる
②やらないことが決まる — ゴールにつながらない予定を手放す判断ができるようになる
③一歩が具体的になる — 「いつか本を書く」ではなく「今日1,000字書く」に翻訳される
大切なのは、逆算した結果として出てくる今日の一歩が、驚くほど小さくていいということです。むしろ小さくなければ続きません。逆算の目的は壮大な計画を立てることではなく、今日の30分を何に使うかを決めることです。



私がブログとYouTubeを始めたのも、この逆算をしたあとでした。「いつか発信したい」のままだったら、たぶん今も何も始めていないと思います。
逆算思考を日常に落とし込む5つのステップ
考え方はわかっても、具体的にどうやるのかがわからないと動けません。私が実際にやっている手順を紹介します。紙とペンだけあればできます。
このステップで一番大事なのは03と05です。多くの人は10個書いた時点で満足してしまい、絞る作業をしません。でも絞らないかぎり、優先順位は永遠に決まらないんです。そして05で1つに限定するのは、実行できなかったときに自分を責めないためでもあります。
もし今週の1つができなかったとしても、計画を作り直す必要はありません。翌週にもう一度、同じ1つを置き直すだけで十分です。私は何度もこれを繰り返してきました。できなかった週を数えるより、置き直した回数を数える方がずっと前に進みます。逆算思考は完璧に実行するための道具ではなく、道を見失ったときに何度でも戻ってこられる地図だと思ってください。
それでも動けない人がぶつかる3つの壁
ここまで読んで「やってみよう」と思った方も、おそらく途中でつまずきます。私も何度もつまずきました。よくある壁を先に共有しておきます。
⚠️ 注意してほしいこと
ゴールを他人の基準で決めてしまう — 世間で評価される目標を書くと、逆算しても行動する気力が湧きません。自分が本当に望んでいるかを、書いたあとに一度疑ってください。
計画を作り込みすぎる — 細かく設計するほど、崩れたときのダメージが大きくなります。逆算はざっくりで十分です。
一度決めたら変えてはいけないと思い込む — 終わりの地点は、生きていれば変わります。半年に一度書き直す前提で決めてください。
三つ目の壁について、少し補足させてください。私は会社員時代、5年目からモード学園の夜間に4年間通いました。転職するつもりで学び始めたのに、結果として転職はせず会社に戻りました。当時は中途半端に終わったと感じていました。
でも今振り返ると、あの4年間で私が本当に手に入れたのは技術ではなく、自分の意思で人生の予定を書き換えられるという実感でした。ゴールは変わってもいいんです。変えた事実より、動いた事実の方がずっと大きく残ります。
今日から確認したい5つのこと、いくつできそうですか?
まとめ:終わりを決めた人から、今日が動き出す
人が最後に後悔するのは、失敗したことではなくやらなかったことでした。そして「いつかやろう」が来ないのは意志の弱さではなく、時間が有限だという実感がないからです。終わりの地点を先に決めて、そこから今日を見る。この順番を入れ替えるだけで、やることの優先順位は自然に変わります。壮大な計画はいりません。今週やる小さな一歩を1つ決めるところから始めてみてください。



私も陸上の夢が終わった日から、ずっと逆算しながら生きています。焦らなくていいので、今日の30分だけ、未来の自分のために使ってみてください。それだけで景色は変わり始めます。









