
「自分のことを一番に考えるって、なんか自己中みたいで罪悪感があるんですよね…」
利己的に生きるか、利他的に生きるか。この問いを聞いたとき、あなたはどちらを選びたいと思いましたか?多くの人は「利他的に生きるべき」と感じるはずです。でも同時に、「自分を犠牲にしてまで他人のために生きるのはしんどい」という本音もある。この矛盾した感覚、ずっと持ち続けていませんか?
ぼくも長い間、この問いに向き合ってきました。某鉄道会社で約11年働いた時代、フレンチレストランで修行した時代、そしてペンションを経営した時代。それぞれの場面で「自分のために生きる」ことと「人のために動く」ことの間で揺れ続けてきたんです。その経験を経てたどり着いた答えは、多くの人が思っているものとは少し違うかもしれません。今日はその話をしたいと思います。
この記事でわかること
- 「利己的」という言葉にネガティブなイメージがつく本当の理由
- 利己的に生きることの本質と、それが豊かさにつながる仕組み
- 自分を満たすことが利他的な行動の土台になる理由
- WAKAの体験から導いた「自分軸と他者軸のバランス」の取り方
- 今日からできる、利己と利他のバランスを整える実践法
①「利己的」と聞いてネガティブに感じる理由
「利己的」という言葉を辞書で引くと、「自分の利益だけを考えて行動すること」と出てきます。そのイメージから、わがままとか、人を踏み台にするとか、そういうネガティブな印象を持つ人がほとんどだと思います。でも、なぜそんなイメージがついてしまったのでしょうか。
一つは、教育の影響です。「自分勝手にしてはいけません」「みんなのことを考えなさい」という言葉を、幼い頃から何度も繰り返し聞かされてきた。学校でも家庭でも、「自分より周りを優先すること」が美徳として教えられてきたんです。その刷り込みが、大人になっても深いところに残っている。
「利己的=悪」という思い込みが生まれる3つの背景
①幼少期から「自分を後回しにする」ことを美徳として教えられてきた
②「利己的な人」のわかりやすい悪例が記憶に残りやすい
③「自分を大切にする」ことと「自己中」の区別を教わっていない
もう一つは、「利己的な人」として記憶に残りやすい事例の問題です。人は感情的なエピソードを強く覚える傾向があります。誰かに裏切られた経験、自分だけ得しようとした人を見た経験。そういうネガティブな記憶が「利己的=悪い人」という図式を強化してしまう。でも本来、「自分を大切にすること」と「他人を傷つけること」はまったく別の話なんです。この混同が、利己的に生きることへの罪悪感を生み出しています。
某鉄道会社に勤めていた頃のぼくも、この罪悪感に縛られていました。「自分がやりたいことをやる」ということに、強い後ろめたさを感じていたんです。でも今振り返れば、それは「利己的であること」の本当の意味を理解していなかったからだったと思います。
②利己的に生きることの本当の意味
「利己的に生きる」と聞くと、自分の欲望のままに生きることをイメージするかもしれません。でも、ぼくが思う「本当の利己的な生き方」はそれとは少し違います。それは「自分の価値観・感情・エネルギーをきちんと管理して、自分自身を満たしていく生き方」のことです。
飛行機に乗ったとき、緊急時の案内でこういうことを言いますよね。「お子様より先にご自身が酸素マスクをつけてください」と。これはまさに、利己的に見えて、実は最も理にかなった選択です。自分がまず安全でなければ、誰かを助けることができない。この考え方は、日常の人生にもそのまま当てはまります。
📝 WAKAの体験談
ペンション経営をしていたとき、ぼくは毎日誰かのために動き続けていました。お客様のために、スタッフのために、地域のために。でも実は、自分自身のことを後回しにしすぎていた。疲弊しているのに「もっと頑張らなければ」と自分を追い込んでいた。結果として、サービスの質も落ちていったし、判断力も鈍っていった。自分を満たすことを後回しにした結果が、「誰かのために」という目的を果たせない状態を生み出していたんです。
利己的に生きるということは、自分の心・体・時間を大切にして、エネルギーが満ちた状態を保つことです。それは決してわがままではなく、長期的に誰かのために動き続けるための、最も大切な土台づくりなんです。



自分を後回しにし続けた先に待っていたのは、誰かのために動けなくなる自分でした。あのペンション経営の経験が、利己的に生きることの本当の意味を教えてくれたんです。
③利他的に生きることが持つ力
では逆に、利他的に生きることには何の力があるのか。これも改めて考えてみたいと思います。利他的とは「他者の利益や幸せのために行動すること」です。見返りを求めず、誰かのために動く。その行動には、不思議な力があります。
まず一つ目は、人との繋がりが深まるということです。誰かが本当に困っているときに手を差し伸べた経験は、どちらの記憶にも深く残ります。その積み重ねが、信頼関係を生み、長期的な豊かさの土台になっていく。人間は社会的な生き物ですから、信頼関係の豊かさはそのまま人生の豊かさに直結します。
利他的な行動がもたらす3つの力
①深い信頼関係が生まれ、長期的なつながりが豊かさの土台になる
②「自分が誰かの役に立てている」という感覚が、自己肯定感を高める
③返報性の原理で、与えたものが巡り巡って自分に返ってくる
二つ目は、自己肯定感の向上です。誰かのために動いたとき、「ありがとう」という言葉をもらったとき、人は自分の存在意義を感じます。これは単純な自己満足ではなく、「自分はここにいていいんだ」という深い安心感につながるものです。
三つ目は、返報性の力です。これは心理学的にも証明されていることですが、人は与えられたものを返したいという本能的な衝動を持っています。見返りを期待して動くのは本当の利他ではありませんが、結果として、利他的な行動は長い時間軸で見ると自分に返ってくることが多い。ただし、これは自分が満たされた状態でないと続けられません。だから、利他の前に利己が必要なんです。



「でも、自分を優先することと人のために動くことって、両立できるんですか?どっちかを選ばないといけない気がして…」
④自分を満たさないと人を満たせない
この疑問に対するぼくの答えは明確です。利己と利他は対立するものではなく、順番の問題です。まず自分を満たす。その上で、溢れた分を人に与える。この順番を守ることで、両立は十分に可能です。
たとえば、コップに水を注ぐことをイメージしてください。自分のコップが空のまま、他人のコップに注ごうとしても何も出てきません。でも自分のコップがいっぱいになって溢れ出した水は、自然と周りに広がっていく。利他的な行動も、これと同じ仕組みです。
自分が空のまま与え続ける
やがて枯渇する。与えることへの怒りや疲弊が生まれ、人間関係が壊れていく。燃え尽き症候群の典型的なパターン。
自分を満たしてから溢れ出す
エネルギーが持続する。見返りを求めない純粋な利他行動が生まれ、長期的な信頼と豊かさが積み上がっていく。
某鉄道会社で働いていた頃、ぼくは職場の人間関係に消耗していました。自分の本音を押し込めて、周りに合わせることばかりを考えていた。でもそれで誰かが本当に救われたかというと、そうでもなかった。表面的な関係が続いていただけです。自分が本当にやりたいことを見つけ、自分を満たすことを覚えてから、初めて人に対して誠実に向き合えるようになったんです。
自分を満たすことへの罪悪感を手放すことが、本当の意味で人のために動ける第一歩です。これは決して自己中心的な考え方ではなく、持続可能な利他行動のための必要条件なんです。



自分を満たすことへの罪悪感を手放したとき、初めて「本当に人の役に立つ」ってどういうことかが見えてきたんです。順番を間違えなければ、利己と利他は矛盾しません。
⑤WAKAが気づいた自分軸と他者軸のバランス
ペンション経営という選択は、ぼくにとって「自由に生きる」ことへの挑戦でした。でも同時に、お客様をおもてなしする仕事でもある。自分の好きなことをやりながら、人を喜ばせる仕事。まさに利己と利他の両立を求められる場でした。
実際に経営してみてわかったのは、「自分がやりたい」という動機が強いほど、サービスの質も上がるということです。好きでやっているから、細部にこだわれる。楽しいから、お客様にその空気が伝わる。逆に疲れているとき、無理して笑顔を作っているときは、なぜかお客様にも伝わってしまう。
自分軸とは、わがままになることではありません。「自分はどう生きたいか」という羅針盤を持つことで、他者に流されずに、本当の意味で人と関われるようになります。軸がない状態で他者に合わせ続けると、やがて自分を見失い、誰のためにもなれなくなってしまうんです。
陸上競技を8年間続けていた経験も、この感覚と重なります。練習を積み上げて自分のコンディションを整えることが、本番のパフォーマンスにつながる。自分を磨くことをサボれば、どれだけ気合いを入れても結果は出ない。「自分への投資」が「結果という形での貢献」につながるという構造は、競技でも人生でも変わりません。
⑥本当の豊かさはどこから生まれるか
豊かさとは何か。お金でしょうか。それとも人間関係でしょうか。ぼくはこれを「自分の選択に責任を持ちながら、自分らしく生きている状態」だと思っています。お金は豊かさの一部ですが、それが全てではない。
ただ、本当の豊かさは「自分を大切にしている人」から生まれやすいという事実があります。なぜなら、自分を大切にしている人は、エネルギーが満ちた状態で判断でき、人との関係においても誠実でいられるからです。枯渇した状態では、良い判断も良い関係も生まれにくい。
豊かさの本質は「自分らしさ」の上に成り立つ
自分を犠牲にして得た豊かさは、いつか崩れる。自分軸を持ち、満ちた状態で人と関わることで、長く続く本当の豊かさが育っていく。
フレンチレストランで修行していた頃、ぼくは朝10時から深夜2時まで働き続けていました。月に6日しか休めない。体重は6kgも落ちた。それでも「お客様のために」「料理のために」と自分を後回しにし続けた。でも本当のことを言うと、あのとき判断力は鈍っていたし、サービスの細部にも影響が出ていた。自分の内側を大切にしていなかったから、本当の意味で質の高い仕事ができていなかったんです。あの経験は、自分を満たすことがいかに重要かを、身体という形で教えてくれた痛い授業でした。
利己的に生きることで自分のエネルギーを守り、その状態から人と関わることで本物の信頼が生まれる。その信頼が積み重なって、お金にも、人間関係にも、生きがいにも豊かさが宿っていく。豊かさとは「奪い合い」ではなく「満ちた状態の連鎖」から生まれるものです。
⑦今日から実践できる利己と利他のバランス
では、具体的にどうすればいいのか。難しく考える必要はありません。ポイントは「まず自分を満たすことを習慣にする」ことと、「その上で人に関わること」です。この順番を意識するだけで、日常が少しずつ変わっていきます。
大事なのは「完璧にやろう」としないことです。利己と利他のバランスは、毎日変わります。体調や状況によって、今日は自分を優先すべき日もあれば、人のために動ける余裕がある日もある。「今の自分は満ちているか」を確認する習慣を持つことが、最もシンプルで強力な実践です。
ぼくが副業を始めたのも、「自分の人生を自分で決めたい」という利己的な動機からでした。でもその結果として生まれたコンテンツが、誰かの役に立っているとしたら、それは利他的な行動になっている。最初の動機は利己でも、その先に利他は自然についてくる。あなたが自分らしく生きることを選んだとき、それがいつかの誰かへの贈り物になるんです。
今日からできる「利己と利他のバランス」チェックリスト
まとめ:利己と利他は順番の問題。自分を満たすことが豊かさの出発点
利己的に生きることは、決して悪いことではありません。自分を満たすことが、本当の意味で人と関われる基盤になります。利他は、その溢れた分から生まれる。まず自分の価値観を大切にし、エネルギーが満ちた状態で人と関わる。その繰り返しの中に、お金にも人間関係にも恵まれた「本当の豊かさ」が宿っていきます。順番を守れば、利己と利他は矛盾しないのです。



利己と利他、どちらかを選ぶ必要はないんです。自分を満たす→溢れ出す→人に届く。この流れを信じて、まずは自分を大切にすることから始めてみてください。









